アニメ『ポプテピピック』第5話・パロディ元ネタ解説
暗闇は無く、無知があるのみ。
- ウィリアム・シェイクスピア『十二夜』第四場
はまだ 五週目なのだ わかってるのか おい!
今週もパロネタ解説です。
声優
金田朋子&小林ゆう
女性パートことAパートはこのコンビ。恐らく女性声優で最も混ぜてはいけない二人が混ざってしまった。
金田朋子
アクロス エンタテインメント所属の女性声優、ナレーター、タレント、ラジオパーソナリティ。主な出演作として『BLEACH』のネリエル・トゥ・オーデルシュヴァンク、『けものフレンズ』のトキなど。
小林ゆう
ホーリーピーク所属の女性声優、歌手、元モデル。主な出演作として『魔法先生ネギま!』の桜咲刹那、『さよなら絶望先生』の木村カエレなど。
中村悠一&杉田智和
Bパートはゲーム番組『東京エンカウント』のMCとして有名なこのコンビ。このコンビがついにポプテピに登場してしまった。
ちなみに登場声優予想アンケートで1位をとったペアでもある。
テレビ見るか
— 杉田智和 (@sugitaLOV) 2018年2月3日
ok
— 中村悠一 (@nakamuraFF11) 2018年2月3日
中村悠一
シグマ・セブン所属の男性声優、ナレーター。主な出演作として『CLANNAD』の岡崎朋也、『機動戦士ガンダム00』のグラハム・エーカーなど。
杉田智和
アトミックモンキー所属のの男性声優、ナレーター、作家。主な出演作として『涼宮ハルヒの憂鬱』のキョン、『銀魂』の坂田銀時など。
アバンタイトル
このコーナーは大人の事情により~
TVアニメ『School Days』最終回が予告なしに中止となった際に放送され、そのスクリーンショットと共に海外掲示板4chanの住人が書き込んだコメントから名づけられた映像『Nice boat.』が元ネタ。
バックで流れているものは恐らく原作で思クソパロった『蒸気船ウィリー』ネタ。
『流石にヤバい』と判断されたのか後述のその他もろもろの映像同様急遽差し替えられた模様。
以上全部作ってたのに謎の圧力で大量に映像が差し替えられた回でした
— 大川ぶくぶ/bkub (@bkub_comic) 2018年2月3日
オープニング
大学中退 大川ぶくぶ
真偽不明。
イモ☆ヨバ
私の名前は桜木伊代。これでも16歳!
松本伊代の楽曲『センチメンタル・ジャーニー』の歌詞「伊代はまだ 16だから」。
テレビ番組
映っている人物はさかなクンが元。
それサバじゃねえかw
特撮テレビドラマ『超光戦士シャンゼリオン』第10話「サバじゃねぇ!」でのやりとり。
サバじゃねぇ!
シャゲダン
『機動戦士ガンダム VS.』シリーズ用語。操作スティックを高速で動かし、自キャラを激しく左右に揺らす行為のこと。他ゲーでいう『死体撃ち』や『屈伸』などに相当する煽り行為であり、専ら攻撃によってダウンした相手をバカにするのに使われる。あの二人の使い方はある意味正しい
『シャゲダン』とは『シャア専用ゲルググのダンス』の略。シャゲダンが初めて確認された作品である『機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン』において、この『シャア専用ゲルググ』というキャラクターが一番機敏に動けた(=一番高速でシャゲダンできた)ことに由来する。
S・G・G・K
高橋陽一の漫画『キャプテン翼』に登場する言葉(頭字語)。Super Great Goal Keeper、もしくはSuper Ganbari Goal Keeperの略であり、前者は若林源三、後者は森崎有三という人物に使用される。
ファンやクラスメイトからのいじめ
コナミのアーケードゲーム『ビシバシチャンプ』のミニゲームのひとつ『ウサギさんが イナバで サメジャンプだ!』。
説明ッ!!!
上向きの包丁
人体を包丁で刺す場合、刃を下に向けるよりも上に向けたほうが少ない力で刺すことができる上、殺傷力も高くなる。つまるところ伊代は本気でピピ美を殺りにかかっていたということになる。あっさり返り討ちにされる気しかしないけど
兄貴がホームランを打つRTA
『biimシステム』または『biim式』と呼称される解説付きゲーム実況動画の画面構成。レトロゲームRTA(タイムアタック)走者のbiim(通称biim兄貴)がこのレイアウトを用いていたためこう呼称される。
こんなの。
解説を頻繁に挟む必要のあるRTA動画にはうってつけのレイアウトであるため、ニコニコ動画のRTA動画界隈では頻繁に使用されるほか、他のゲーム実況動画で使用する者も多い。
ポプ子/ピピ美の顔と声
顔は縦スクロールシューティングゲーム『東方Project』のキャラクターである霧雨魔理沙と博麗霊夢をモチーフとしたアスキーアート『ゆっくりしていってね!!!』から派生したキャラクター『ゆっくり』のもの。
ニコニコ動画ではこのキャラクターと合成音声ソフトを用いたゲーム実況動画の形式『ゆっくり実況』が存在し、biimシステムもある意味その派生に当たる。biim式動画ではたいていの場合下部に配置され、解説役を担う。
音声は合成音声ソフトSofTalkのもの。格闘ゲームエンジン『M.U.G.E.N』において上記ゆっくりの音声として使用された影響で、『ゆっくり実況』では必ず使用されるフリーソフトウェア。
プレイ画面のUIとBGM
およそキッズ向けではないべらぼうな難易度で2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の『なんJ』こと『なんでも実況ジュピター板』を発端としてその名を轟かせたYahoo!きっずゲーム内のFlashゲーム『くまのプーさんのホームランダービー!』のもの。モザイク処理がされているウィンドウ名をよく見ると『ポプ子のホームランダービー』と読める。
テロップの示すところを見るとどうやらここも作画していた模様。
Aパート画面左上の「貼らないでいい」はなんJ用語の「ハランデイイ(貼らんでいい)」から*1。
Bパート画面左上「開幕前はゴルフ」とは『ホームランダービー!』以前にYahoo!きっずゲームに存在した(=プリーグ開幕前)『プーさんと100エーカーの森ゴルフ』のこと。なんJでは『オフ(オフシーズン)』と称して『ホームランダービー!』と共にプレイされている。
https://kids.yahoo.co.jp/games/sports/013.html
イクゾー
スクウェア・エニックスのゲーム『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』の登場人物『カール・アウグスト・ナイトハルト』の台詞「我が名は、カール・アウグスト・ナイトハルト、イクゾー!」*2。上記「よーいスタート」などと同じく、実況ゲーム内で何かアクションを起こす際に使われる。
デッデッデデデデ!(ドーン)
上記ナイトハルト専用BGM『ナイトハルトのテーマ』。デッデッデデデデ!(カーン)デデデデ!
RTAや実況動画では主に「イグゾー!」と合わせて使用され、途中の「(カーン)」が動画内に使用されているか否かで視聴者の評価が変わったり変わらなかったりする。
ドーンが入っている +114514点
こんなあにめにまし゛になっちゃってと゛うするの
ゲーム『たけしの挑戦状』にて、ゲームクリア画面で5分待つと表示されるメッセージ「こんな け゛ーむに まし゛に なっちゃって と゛うするの」。
シャドウゲイトもびっくりの理不尽謎解きを乗り越えてクリアに至っても、画面に表示されるのは北野武の顔と「えらいっ」のメッセージのみ。そこからさらに5分待つとメッセージが変わってこれである。
物申シッター
Twitter。「物申」という名前とアイコンは原作にて登場した『ツイッターで物申すマン』。
Twitterで世間に対する自分の意見を垂れ流すアカウントを皮肉ったキャラクター。
スライディング
カプコンのゲーム『ロックマン8 メタルヒーローズ』のフロストマンステージにおけるアナウンスアイコン。フロストマンステージは滑走するスノーボードに乗って進行し、前方の障害に対する対処法がアイコンと共にアナウンスされる。
スライディングスライディング!
ユ゛~チュ゛~ブゥー
呼んで字のごとくYouTube。濁点が付いているのはYouTuberであるHIKAKINの動画冒頭の挨拶「ブンブンハローユーチューブ」をネタにした*3もの。
公式BB配布
ゆっくりポプ子とゆっくりピピ美のBB素材。視聴者プレゼント
『BB』とはブルーバック(Blue Back)の略称であり、元々はクロマキー合成*4に使用される青一色の背景の事を指す。
画像はブルーバックの類似品グリーンバック。天気予報の舞台裏で目にした人も多いのでは。
BB素材はそこから転じて、MAD動画などの編集において上記のようにクロマキーを用いて合成し使用する、ブルーバックが用いられた動画素材の事を言う。
こんなの。一部のMAD動画や実況動画では動画の最後に(ポプテピのような感じで)BB素材を配布することがある。
はーい、よーいスタート。
BパートではBB配布の代わりに前部に尺が割かれる。COAT社のゲイ向けAV『BABYLON STAGE 34 真夏の夜の淫夢 ~the IMP~』に登場するAV男優トシ、通称NSOK*5の台詞。biim式RTA動画ではスタート時に必ずといっていいほど使われる台詞。ついでに言うと杉田は間違いなくこのパロディを知っている*6。
ポプテピクッキング
尺の都合上調理過程を済ましたら既に用意されている完成品を映して終了…というのはよくある話。原作における構成と最後の「終」の文字を見るに、モチーフ元はNHKの料理番組『きょうの料理』。
煮
能田達規の漫画『がらくた屋まん太』に登場する料理『煮』。
3年間カセットコンロの上に置き続け、その都度具材をつぎ足しては煮続けられている鍋。
「手洗った?」って聞いてくる奴自分の身体洗いましょうね。
ニコニコ動画の『例のアレ』ジャンルの動画において、料理シーンが出てきた際に書き込まれるコメント「手洗った?」。『洗った厨』とも呼称される。
ポプテピクッキングにおいては発展して「コンロ洗った?」「鍋洗った?」「水洗った?」とも。
ボブネミミッミ①
急に出てきて助言言うキャラ
『ゼルダの伝説』シリーズに登場するキャラクター、怪鳥ケポラ・ゲボラが元。ボブネミでは要素が抜けているが、原作ではわりと似ていた。
主人公リンクの行く先々で登場しアドバイスをくれるが、いちいち話が長い上、ゲームを進めるにつれて登場回数も減り、ついには名前すら出てこない空気キャラと化す。
褒められて伸びるタイプなんでチュ~
Toby Foxのゲーム『Undertale』に登場するキャラ『Lesser Dog(レッサードッグ)』が元ネタ。『ACT(こうどう)』コマンドで「Pet(なでる)」を選択し続けると首がどこまでも伸びる。
メッセージウィンドウを貫き、コマンド欄を突き抜けると伸びが一応終了する。
OH YEAH...
恐らく、同じく『Undertale』のキャラクター『Mettaton(メタトン)』の変身イベントにおける音声「OH YES」が元?
何畑何三郎のOPこんな感じだったでしょ。
フジテレビ系列の刑事ドラマ『古畑任三郎』シリーズのOPのこと。
伸びるねぇ…
アア、オワッタ・・・!
ファミコンゲーム『銀河英雄伝説』のラインハルトの台詞「アア、オワッタ・・・・・・・・!」。
・・・・オワリマシタネ! ヒトツノ タタカイガ・・・・・・。
チートバグ界隈では『にしき表彰台』の元画像として親しまれている*7。
にしき表彰台。
自爆するしかねぇ
TVアニメ『新機動戦記ガンダムW』第10話「ヒイロ、閃光に散る」の1シーン。敵に降伏勧告をされた主人公ヒイロ・ユイが搭乗機体であるウイングガンダムの鹵獲を阻止するために自爆するシーン。
一応言っておくと自爆しているのは主人公機であり、さらに言うと巻き込まれたヒイロは普通に生きていた。死ぬほど痛いぞ。
大爆発
2007年にニコニコ動画に投稿された動画『イチローのレーザービームで人類滅亡』が元ネタ。イチローがライト前へのゴロを本気で三塁に返球した結果、ニコニコ動画黎明期を担ったMAD動画シリーズ『人類滅亡シリーズ』のムーブメントが引き起こされた。
爆発とされる映像は実は爆発ではなく、『NHKスペシャル 地球大進化〜46億年・人類への旅』第一回にて放映された、直径400kmの隕石が72000km/hの速度で地球に衝突した場合のシュミレーション映像。流れているBGMはTBSのバラエティ番組『8時だョ!全員集合』のオチとして使われていたBGM『盆回り』。
もしくは三池崇史監督の映画『DEAD OR ALIVE 犯罪者』のラストシーン。
一応ネタバレ注意。「フツーに生きたいなら、このクライマックスは知らない方がいい。」とはキャッチコピーの弁。
ボブネミミッミ②
OPで話題になった無意識バイアスおじさんがついに本編登場。やったね。
ミッ●ーのモノマネやりまーす
命知らずのデスゲーム。冒頭は編集したのにここは垂れ流す。
アアーン
SNKの格闘ゲーム『龍虎の拳』のキャラクター『ミッキー・ロジャース』のやられボイス。ミッ●ーつながり。
お茶会に遅れちゃう~!
ルイス・キャロル(チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン)の小説『不思議の国のアリス』の登場人物『白ウサギ』が元。ポプ子が追いかけるのも同作品のあらすじそのまま。
ジョン・テニエルによる白ウサギの挿絵。
ROUTE 66
デニス・ホッパー監督の映画『イージー・ライダー(原題:Easy Rider)』が元ネタ。アメリカ合衆国国道66号線、通称『ルート66』を舞台とする。
バックで流れているのはカナダのロックバンドSteppenwolfの楽曲『Born To Be Wild』のパロディ。日本では『ワイルドでいこう!』の邦題で知られている。
Bパートのウサギ
声質から察するに石塚運昇のモノマネ。なぜ…?
ウサギを追うポプ子
構図はアイレムのアーケードゲーム『ジッピーレース』のステージゴール直前のゲーム画面。走行終了時にはアニメと同じく奥へフェードアウトしていく。
いつものラーメン
上記『Born To Be Wild』の、テレビ朝日系列のバラエティ番組『タモリ倶楽部』の1コーナー『空耳アワー』での空耳。歌詞の「Get your motor runnin'(モーターを回すんだ)」が「いつものラーメン」に聞こえるというもの。
ステッペンウルフ-ワイルドで行こう pic.twitter.com/YpsyHr5ldL
— vx755oo4o86 (@vx755oo4o86) 2015年8月28日
その歌やめてー!
補足等ありましたらコメントよろしくお願いします。
*1:なんでも実況J板ではスレッドを立てた人物(>>1)に画像を要求する際、MLB選手ロイ・ハラデイにちなんで「画像ハラディ」という言葉が使われていたが、これに対しグロ画像など必要としないものには「ハラディ」をもじって「ハランデイイ」という言葉も用いられていた。なんJ内で『ホームランダービー!』が『プニキ』、もしくは『プリーグ』として流行りだすと、その難易度からどんどん心にトラウマを抱えていくなんJ民が続出。それと同時に事あるごとにこの鬼畜ゲーのURLを所構わず貼りだす輩も出現。このURLだけで一部のなんJ民がフラッシュバックを起こし、『ホームランダービー!』のURLに対して(「もう思い出したくないから貼らなくていい」の意で)「ハランデイイ」と拒絶反応を示していた。このことから、「ホームランダービー!のURL」→「ハランデイイ」がテンプレとなっている。
*2:ミンストレルソングは『ロマンシング サ・ガ』のリメイク作品であり、各キャラクターに声優がつくなどかなり豪華なリメイクがなされた。ストーリーに絡んでくるナイトハルトにも声優はついたのだが、どういうわけか恐ろしいほどの棒読み演技であり、とあるイベントで生贄にされても何故か復活するなどの要素も相まって一気にネタキャラになってしまった。
*3:HIKAKINはボイスパフォーマンス(ボイパ)を得意としており、「ブンブン~」の挨拶にもボイスパフォーマンスを用いているのだが、それが濁点が付いているように聞こえるため。
*4:映像内の特定の色を指定して透明にし、そこに別の映像を合成する技術。
*5:読みはニシオカ。顔立ちが阪神タイガース(元千葉ロッテマリーンズ)の西岡剛に似ていることから名づけられた。
*6:元々杉田智知は様々なネタに精通している事で有名であり、イベントやラジオ番組、Twitterでの発言などから所謂『例のアレ』ジャンルも網羅していることが分かる。このことから『イキ杉田ホモ和』などと呼ばれることも。
*7:チートバグ界隈ではバグった(バグらせた)ゲーム画面の面白さを競う『にしきがおコンテスト』なるものが開催されており、その2014年度大会において『にしき表彰台』があまりのシンプルさからぶっちぎりで最優秀作品賞を受賞した。その過程で元画像として参照されたのが『アア、オワッタ・・・!』である。